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業務委託契約と労働契約

業務委託契約と労働契約(雇用契約)の違い

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本項では、業務委託契約と労働契約(雇用契約)との法的な違いについて解説しています。

業務委託契約と労働契約(雇用契約)は、適用される法律にが違いがあります。

業務委託契約は事業者間の契約ですから、事業者間に適用される独占禁止法や下請法が適用されます。一方、労働契約(雇用契約)は、労働法全般が適用されます。

また、契約の実態においても違いがあります。業務委託契約は、独立した事業者同士の対等な契約です。一方、労働契約(雇用契約)は、使用従属関係がある契約です。

業務委託契約・労働契約(雇用契約)に適用される法律

業務委託契約は、独立した事業者間の契約です。理論上の立場は双方対等の契約ですが、実際の契約交渉上の立場(バーゲニングポジション)は、どちらかが優位の場合が多いです。

このような事業者間の業務委託契約には、独占禁止法が適用されます。また、契約内容によっては、下請法が適用されます。これらの法律によって、バーゲニングポジションの格差は、ある程度解消されます。また、このほかにも、契約当事者の業種や契約内容によっては、他の法律が適用されることがあります(例:建設業法など)。

一方、労働契約(雇用契約)は、立場の強い企業と立場の弱い労働者とが使用従属関係を結ぶ契約です。法的には、立対等の立場における合意にもとづいて結ぶべき契約とされています(労働契約法第3条第1条)。

このような労使間の労働契約(雇用契約)には、労働法が適用されます。労働法とは、労使間に適用されるさまざまな法律群を総称した呼び方であり、個別の法律の名前ではありません。労働契約(雇用契約)に関係するものとしては、労働契約法、労働基準法、男女雇用機会均等法、最低賃金法などがあります。

これらの法律は、そのほとんどが労働者側にとって有利な内容なっています。これらの法律によって、労使間の立場の格差は、ある程度解消されます。しかしながら、実態は、企業側が圧倒的に有利であることはいうまでもありません。

業務委託契約・労働契約(雇用契約)の実態

業務委託契約は、独立した事業者間の契約であり、理論上はお互いに対等の契約当事者ですから、いわゆる「契約自由の原則」が、比較的制限されることなく適用されます。逆に、労働契約(雇用契約)は、立場に格差がある労使間の契約であり、使用従属関係があるため、契約自由の原則は大幅に制限されます。

業務委託契約と労働契約(雇用契約)において最も重要な点のひとつは、「使用従属関係の有無」です。原則として、業務委託契約では、受託者は、独立した事業者として、自らの自由意志と裁量にもとづいて業務を遂行しなければなりません。つまり、業務委託契約には、使用従属関係はありません。一方、労働契約(雇用契約)では、一部の特殊な契約を除いて、原則として、労働者は、企業側の業務命令に従う義務があります。つまり、労働契約(雇用契約)には、使用従属関係があります。

この点は非常に重要な点で、使用従属関係の有無は、業務委託契約か労働契約かの判断基準のひとつになります。このため、たとえ業務委託契約書というタイトルの契約書を作成して使用していたとしても、契約の実態が使用従属関係に該当するものであれば、その契約は労働契約(雇用契約)と判断される可能性があります。

また、業務委託契約と労働契約(雇用契約)では、報酬・料金や給料の面でも違いがあります。業務委託契約の報酬・料金は、契約自由の原則により、当事者の合意で自由に決定することができます。一方で、労働契約(雇用契約)の給料は、最低賃金法による規制があるため、最低賃金法の規定を上回る額としなければなりません。

これに関連して、業務委託契約では、受託者自らが社会保険料を全て負担しますが、労働契約では、企業が社会保険料の一部を負担しなければなりません。この点、社会保険料の負担を軽減するため、労働者との労働契約(雇用契約)を業務委託契約に切り替えることを検討する企業がありますが、就業形態と業務内容に違いがない場合は、業務委託契約とみなされず、労働契約とみなされることがありますので、慎重な対応を要します。

参考文献

その他の契約書のことなら「契約書の達人」

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最終更新日2012年8月21日