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民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款の解説―平成21年(2009)5月改正

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『民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款の解説―平成21年(2009)5月改正』(民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款委員会、大成出版社、2009年(平成21年))は、建設工事請負契約書の約款(雛形)の解説書です。

編集者の民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款委員会(以下、「本会」とします。)は、「民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款の社会的認識の向上に努め、公正妥当な工事請負契約の履行に寄与することを目的」(委員会ホームページより引用)とした委員会です。また、執筆者は、弁護士(大学教授)や、ゼネコン、大手設計事務所などの建設業者、建築設計業者の法務担当者など、契約実務の第一線で活躍されている方々です(巻頭「調査研究委員会委員(執筆者)」より)。

本書では、本会の活動の一環として作成された建設工事請負契約の約款について、逐条解説がなされています。

建設業者必携の業界団体作成のモデル契約の解説書

本書は、建設業界の業界団体である本会が作成した建設工事請負契約の約款(以下、「本約款」といいます。)、いわばモデル契約書の解説書です。各条項ごとに、条文、概要、改正前のものからの改正点、解説の順に記述するスタイルとなっています。

建設工事請負契約は、建設業法第19条によって、契約内容を書面化しなければならないとされています。このため、本来は、それぞれの建設工事ごとに、その契約内容を反映した契約書を作成するべきものです。しかしながら、建設工事のたびに契約書を一から作成することは、非常に煩わしく、コストもかかります。

このため、一般的な建設工事では、本約款のような建設業法第19条に適合した約款を使用します。本約款以外にも、さまざまな建設工事請負契約書の雛形がありますが、おそらく、この本約款が、公共工事を除く日本の建設工事請負契約の多くに使用されているものと思われます。

本書では、約款の掲載のみならず、その解説が記述されています。また、建設工事請負契約の理解に必要な基本的な法理論や、建設業法をはじめとした関連する法律の部分的な解説も記述されています。本約款を使用する建設業者のみならず、本約款を使用しない建設業者にとっても、非常に有益な書籍です。

実際の建設工事の実態との整合性に要注意

本約款のような、雛形やモデル契約書を使用する場合、気をつけるべき点として、契約の実態と雛形やモデル契約書の内容とが一致しているかどうか、という点があります。この点について、仮に契約の実態と雛形やモデル契約書の内容とが乖離している場合、当然のことながら、雛形やモデル契約書を修正する必要があります。

例えば、本約款の場合、「本約款は、発注者が別に監理業務を委任した『監理者』が存在することを前提にして」います(P5「1-5 本約款の前提」)。この点は、本会の目的である「公正妥当な工事請負契約」という意味では、理想的な契約内容であるといえます。

ところが、一般的な建設工事請負契約では、第三者である監理者に監理業務を委任することは、滅多にありません。このような契約内容である場合、本来であれば、監理者に関する規定を修正する必要があります。しかしながら、弊事務所の経験上、第三者である監理者など存在しないにもかかわらず、この修正がなされずに本約款が使用されているケースがあります。このようなことがないように、本約款を使用する場合は、実際の契約の実態に合わせて修正する必要があります。

なお、本書は、本会の目的にあるとおり、「公正妥当な工事請負契約」を目指して作成されたものではあります。しかしながら、どちらかといえば、請負者(=建設業者)にとって有利な内容となっています。

このため、本約款が使用される場合、発注者は、特にその内容について注意します。また、建設業者であっても、自らが発注者となる場合、特に下請工事の契約に本約款を使用する場合は、自らが不利にならないように注意します。

一例を挙げると、本約款には、請負者の秘密保持義務が規定されていません。また、現行法の建設業法上、建設業者には、秘密保持義務が課されていません。このため、本約款を使用する場合は、建設業者による情報の漏洩を直接制限することができません。

建物の建築工事などの場合、発注者にとっては、セキュリティの関係上、秘密保持義務を課すべきであることがあります。このような場合は、本約款に秘密保持義務を追記するべきです。

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最終更新日2012年8月21日