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参考文献

新しいソフトウェア開発委託取引の契約と実務

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『新しいソフトウェア開発委託取引の契約と実務』((社)情報サービス産業協会法的問題委員会契約部会、商事法務、2002年)は、ソフトウェア開発業務委託契約に関する実務について解説されている書籍です。

編集者の社団法人情報サービス産業協会は、「情報関連技術の開発促進、情報化の基盤整備などを通じ、情報サービス産業の健全な発展とわが国の情報化の促進を目的」(協会ホームページより引用)とした社団法人です。また、執筆者は、情報サービス産業の大手企業や、シンクタンクなど、契約実務の第一線で活躍されている担当者の方々です(巻頭「JISA法的問題委員会契約部会メンバー(執筆者)一覧」より)。

本書では、ソフトウェア開発業務委託契約の理論と実務について解説されています。また、巻末には、編集者によって作成されたモデル契約書が掲載されています。

ソフトウェア開発業務委託契約の数少ない実務書

一般的に、ソフトウェア開発業務委託契約は、いわゆるソフトウェア、つまり、アプリケーションソフトの開発業務委託契約のみを意味しているわけではありません。プログラム開発、データベース構築、システム開発などといった、カスタムソフトウェアの開発にも該当する契約です。このような契約内容だけに、契約書の作成には、法的な専門知識に加えて、ソフトウェア関係の技術的な専門知識も必要とされるます。

ところが、一般的な法律実務家は、ソフトウェア関係の技術的な専門知識を持ち合わせていることはありません。同様に、一般的なソフトウェア関係の技術職の方は、法的な専門知識を持ち合わせていることはありません。このため、ソフトウェア開発業務委託契約書について精通している専門家の方は、あまり多くはいません。

このような事情から、ソフトウェア開発業務委託契約書の書籍について執筆する方がほとんどいらっしゃいません。少数ながら刊行されている書籍も、そのうちの大半は、入門書やモデル契約書の解説書です。

本書は、ソフトウェア開発業務委託契約書の実務について記述されている、数少ない実務書です。特に、執筆者が情報サービス産業の大手企業や、シンクタンクなどの実務家であるということもあって、現場の経験の経験に裏打ちされた、実践的な内容となっています。

最新の開発手法については常に注意が必要

上記のように、本書は、ソフトウェア開発に関係する当事者にとって、必携の良書であることは言うまでもありません。しかしながら、刊行が2002年であるため、内容が、必ずしも最新の開発手法に対応しているとは限りません。この点について、常に書籍の内容が実務の実態とかけ離れていないかどうか注意する必要があります。

一般的に、契約実務の書籍は、刊行から少々時間が経ったからといって、原則として、実用性や価値が低下することはあまりありません。しかしながら、本書のように、契約の実態が年々変化しているような契約について記載されている書籍については、例外です。

一例を挙げると、本書では、ソフトウェアの開発手法として、ウォーターフォールモデル、スパイラルモデル、プロトタイプモデルの3種類について記述されています。しかし、本書の刊行から時間が経って、これらの開発手法とは異なる新たな開発手法も提唱されています。本書は、必ずしもこのような新たな開発手法に対応しているとは限りません。

特に、巻末のモデル契約書は、上記の3種類には対応していますが、新たな開発手法に対応しているとはいえない可能性があります。ソフトウェア作成業務委託契約書を作成する場合は、このような最新の事情に対応した内容とする必要があります。

なお、2009年10月現在、書店やWeb上でも、新品の本書の在庫は、少なくなっているようです。重版や改訂があるのかもしれませんが、本書に限らず、この手の実務書は、在庫が少なくなると入手しづらくなる傾向があります。ですから、必要としている方は、できるだけ早めに購入なさることをお勧めします。

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最終更新日2012年8月21日