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業務委託契約書の基本

請負契約の法定解除権

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本項では、民法上の請負契約における契約の解除権について解説しています。

法定解除権とは、法律に規定されている解除権です。注文者は、仕事の目的物に瑕疵があった場合(ただし、契約の目的を達することができないとき、民法第635条)や、請負人(受注者)が仕事を完成しない間(民法第641条)、請負契約を解除できます。

これに対して、請負人(受注者)は、注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負契約を解除できます。

なお、このほか、民法上の契約の原則として、債務不履行による法定解除権もあります(民法第540条~同第548条)。

注文者による解除は比較的自由にできる

民法上の請負契約において、注文者は、次のふたつ場合の解除権が認められています。すなわち、1仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないとき(民法第635条)、2請負人が仕事を完成しない間(民法第641条)―の2つです。

1の場合は、あくまで、「契約をした目的を達することができないとき」という条件付きであることに注意を要します。つまり、「契約をした目的を達すること」ができるのであれば、注文者は、契約を解除できません。

これは、システム開発の請負契約等で問題となります。例えば、出来上がったシステムが契約の目的を達することができないようなものであれば、注文者は、請負契約を解除できます(東京地裁判決平成16年12月22日)。

また、「建物その他の土地の工作物については」、注文者は、契約を解除できません(民法第635条ただし書き)。これらふたつの場合は、注文者は、民法第654条の瑕疵担保責任の請求(目的物の修補、損害賠償)を請求できるだけです。

2の場合は、注文者は、「請負人が仕事を完成しない間は」、「いつでも」契約を解除できます。ただし、請負人(受注者)の「損害を賠償」する必要があります(民法第641条)。

「仕事を完成しない間」とは、仕事に着手したかどうかを問いません。なお、発注者は、契約の解除自体については、損害賠償をおこなわずに、することができます(大審院判決昭和7年4月30日)。解除の後の損害賠償でも構いません。

請負人からの解除は原則としてできない

民法上の請負契約において、請負人(受注者)は、注文者が破産手続開始の決定を受けた場合に、請負契約を解除できます(民法第642条)。このほか、少なくとも民法上の請負契約においては、請負人(受注者)には、解除権が認められていません。つまり、原則として、請負人(受注者)は、請負契約を解除できません。

上記の場合の解除のときにおいて、請負人は、「破産財団の配当に加入すること」(民法第642条第1項後段、第2項後段)によって、報酬、費用、損害の賠償を請求することができます。

しかしながら、いくら報酬、費用、損害の賠償ができるとはいえ、注文者が破産手続きを開始している状況では、注文者の財産の状況によっては、これらの金銭の回収は見込めなくなることが多いです。このため、請負契約による注文を受注する請負人(受注者)は、受注前に、注文者の信用状態に注意する必要があります。

なお、請負契約では、これらの法定解除権のほか、民法上の契約の一般原則として、債務不履行による法定解除権もあります(民法第540条~同第548条)。また、契約当事者は、法廷解除権以外にも、契約に規定されたく解除権(これを「約定解除権」といいます。)にもとづく解除もできます。

参考文献

その他の契約書のことなら「契約書の達人」

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最終更新日2012年8月21日