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業務委託契約書の基本

請負契約と委任契約の違い

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本項では、業務委託契約と民法上の請負契約・委任契約との関係について解説しています。

請負契約と委任契約では、責任の内容、費用負担、契約解除等が異なります。これらの点は、ビジネスモデルによっては、大きな影響を与える場合があります。

このため、ビジネス上の業務委託契約では、これらの点を意識して、サービス内容を請負契約とするか委任契約とするかを決定する必要があります。

請負契約とするか委任契約とするかを選択する

ビジネスの世界では、請負契約と委任契約のどちらにもできるビジネスモデルがあります。例えば、ソフトウェアの開発などが該当します。このため、以下の内容を考慮のうえ、請負契約とするか委任契約とするかを選択することができます。逆に、この点を契約書ではっきりさせておかなければ、いざトラブルになったとき、請負・委任のどちらの責任となるのかの予測が立たなくなります。

請負契約の場合は、欠陥のない完全な物品、情報成果物、サービス等を提供する必要があります(欠陥があると瑕疵担保責任が問われます)。逆にいえば、途中で手を抜いたとしても、結果として欠陥がなければ責任は問われません。また、原則として、報酬のなかに材料代、制作費、費用等が含まれます。このため、価格設定を誤ると利益が少なくなりますし、コストを抑えることができると利益が多くなります。

委任契約の場合は、善管注意義務を果たした行為を提供する必要があります。逆にいえば、善管注意義務さえ果たせば、結果的に受任者にとって不利益となったとしも、責任は問われません。また、原則として、受任者は、委任者に対して、報酬に加えて、費用の請求もできます(民法第650条)。

請負契約と委任契約とでは契約解除の条件が異なる

請負契約の場合は、条件付きで、注文者と請負人に契約の解除が認められています。注文者は、「請負人が仕事を完成しない間であれば、契約の解除をすることができます(民法第641条)。また、仕事の目的物に欠陥があった場合も同様です(民法第635条本文)。請負人は、注文者が破産手続き開始を受けたときは、契約の解除ができます(民法第642条第1項)。

つまり、注文者は、比較的緩やかな条件のもとで契約解除ができますが、請負人は、かなり厳しい条件のもとでなければ契約解除ができません。このため、契約解除という点では、請負契約は、発注者にとって有利といえます。業務委託契約を請負契約とする場合は、特に請負人(=サービス事業者)は、契約書で契約解除条項を記載し、契約を解除できる権利(=これを「約定解除権」といいます。)を確保しておく必要があります。

委任契約の場合は、委任者・受任者ともに、「いつでも」(=無条件で)契約を解除することができます(民法第651条第1項)。なお、この条項が契約書で修正できるかどうかという点、つまり、解除の権利を契約書で放棄させることができるかどうかについては、争いがあります。

このため、契約解除という点では、委任契約は、対等の契約であるといえます。業務委託契約を委任契約とする場合は、受任者(=サービス事業者)は、突然契約を打ち切られるリスクを覚悟しなければなりません。

参考文献

その他の契約書のことなら「契約書の達人」

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最終更新日2012年8月21日