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重要な契約条項

支払・納入等の履行遅滞と受領拒否・受領遅滞

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業務委託契約において、目的物の引渡しの時期や役務(サービス)の提供の時期(以下、「納期」とします。)が到来したにもかかわらず、なんらかのトラブルによって、スムーズに納入がおこなわれない場合があります。

具体的には、前払いの場合で、支払がなかったときの受注者による納入の対応、目的物の納入・役務の提供がなかった場合の委託者による支払いの対応、委託者による受領の拒否があった場合などです。業務委託契約書には、これらの対応も明記します。

同時履行の抗弁権とは

いわゆる前払いの支払条件の業務委託契約において、支払いがなされていない状態で納期が到来することがあります。このような場合、受託者は、報酬・料金の支払いがあるまでは、目的物の納入・役務の提供を拒むことができます(民法第533条)。これを、「同時履行の抗弁権」といいます。

なお、逆の場合、つまり後払いの場合に目的物の納入・役務の提供がなかったときは、委託者は、受託者に対して、同様に報酬・料金の支払いを拒むことができます。

また、継続的な契約、代表的には製造物請負契約、いわゆる取引基本契約などの場合、個々の受発注について同時履行の抗弁権を行使することができます。また、後払いの場合において、例えば前回の受発注における報酬・料金の支払いがなされていないときは、その次の受発注における目的物の納入を拒むことができます。これを「異時履行の抗弁権」といいます。

なお、受託者は、上記のように前払いで支払いがなされていないからといって、目的物の製造・調達や役務(サービス)の準備を停止すると後々問題となる可能性があります。

というのも、例えば支払いが納期の翌日になされた場合には、支払いと同時に目的物の納入・役務の提供をおこなう義務が発生します。この際、目的物の製造・調達や役務(サービス)の準備を停止していると、対応ができない可能性があります。

納入の履行遅滞や受領拒否・遅滞の場合の対応

納期が到来もかかわらず委託者による目的物の納入・役務の提供がない(いわゆる「履行遅滞」の場合)があります。この場合、委託者は、強制履行・損害賠償・契約の解除(相当期間を定めて履行の催告をする必要があります。)の請求ができます(民法第412条・第414条・第415条・第541条・第542条)。

また、受託者が納入しようと目的物を指定場所に持参しても受取を拒否される、または受取が遅くなる場合(受領遅滞・受領拒否)があります。このような場合、委託者は、「遅滞の責任を負」います(民法第413条)。

この点につき、民法上は、「遅滞の責任」が何を意味しているのかが明記されていません。このため、業務委託契約書で「遅滞の責任」を明記して作成する必要があります。一般的には、その遅滞によって発生した余計な運送料、保管料、遅延損害金の負担、目的物の管理責任、目的物の危険負担の取扱いなどを明記します。

参考文献

その他の契約書のことなら「契約書の達人」

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最終更新日2012年8月21日