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重要な契約条項

報酬・料金の支払方法

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業務委託契約の支払方法は、現金または約束手形による支払いとなります。

現金の場合は、金額にもよりますが、一般的には銀行振り込みとなりますので、その手続等を業務委託契約書に記載します。

また、約束手形による支払いは、現金による支払いに比べて、より多くのリスクがありますので、注意を要します。

現金払いは銀行振込か持参か

現金による支払いの場合、一般的には銀行振込での支払いとなります。これは、現金の所持は犯罪(盗難・強盗等)や紛失のリスクがあるからです。また、銀行振込のほうが会計処理が簡単となるメリットもあります。さらに、銀行振込の場合は、税務上は、必ずしも領収書の交付を必要としません。銀行振込以外では、直接支払う方法(いわゆる「持参」による方法)もありますが、あまり一般的ではありません。

銀行振込の場合は、業務委託契約書で、委託者と受託者のどちらが振込手数料とその消費税の負担を負担するのかを明記しておきます。この点が明記されていないと、民法第485条により、債務者、つまり報酬・料金を支払う債務を負う委託者が、銀行振込の手数料とその消費税を負担することになります。

ただ、この民法の条文は一般に知られているものでありません。受託者としては、この条文を委託者に確認してもらう意味でも、あえて業務委託契約書に記載するべきです。また、この条文は、「銀行振込の手数料とその消費税は委託者が負担するべきである」と主張する根拠となります。

現金を直接持参して支払ってもらう場合、委託者は、受託者から、必ずその場で領収書をもらいます。これは、民法で規定されている委託者(=債務者)の権利です(民法第486条)。逆にいうと、領収書の交付がない場合は、料金・報酬の支払いを拒否することができます(同時履行の抗弁権・大審院判決昭和16年3月1日)

なお、銀行振込の場合であっても、その振込内容の詳細を明らかにするために、委託者は、受託者に対して、領収書の交付を請求することができます。この場合、受託者は、領収書に、振込日時、取扱金融機関名、実際の振込名義人、その他の詳細を記入したうえで交付します。

約束手形による「支払い」か「代物弁済」か

約束手形による支払いの場合は、業務委託契約書に、その旨を明記して作成ます。この際、「・・・の支払いのために、約束手形を交付することができるものとする。」とするか、「・・・の支払いに代えて、約束手形を交付することができるものとする」とするかによって、内容が変わってきます。

前者の場合は、約束手形を単に支払手段のひとつとして規定しているに過ぎません。このため、仮に手形が不渡りとなったり失効したりした場合であっても、受託者は、委託者に対して、改めて支払いを請求することができます(大審院判決大正11年4月8日)。このため、この規定は、受託者にとって有利な規定となります。

これに対して、後者の場合は、約束手形による代物弁済(民法第482条)となります(学説)。代物弁済とは、他の給付(この場合は支払い=金銭以外の給付)をすることによって、債務(この場合は金銭の支払債務)を消滅されることです。

つまり、後者の場合は、約束手形を交付する代わりに金銭の支払債務を消滅させることになります。この場合、仮に約束手形が不渡りとなったり失効したりした場合であっても、支払債務自体が消滅しているため、受託者は、委託者に対して、改めて支払いを請求することはできません。このため、この規定は、委託者にとって有利な規定です。

なお、業務委託契約が下請取引に該当する場合、委託者は、受託者に対して、割引困難な手形を交付してはいけません(下請法第4条2項第2号)。割引困難な手形とは、「手形期間が繊維製品に係る下請取引においては90日以内、その他の下請取引については120日以内」のものをいいます(参照: 公正取引委員会:下請代金の支払手形のサイト短縮について)。

参考文献

その他の契約書のことなら「契約書の達人」

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最終更新日2012年8月21日