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コラム

労働者派遣契約を請負契約へ?

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本項では、労働者派遣法改正の対応として、労働者派遣契約を請負契約や業務委託契約に変更する場合の注意点について解説しています。

平成22年4月6日に衆参両議院に「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案」(いわゆる「労働者派遣法改正案」)が提出され、本日現在(平成22年4月8日)、衆議院で審議中です。

改正案では、「製造業務派遣の原則禁止」が謳われています(詳細は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案」について(厚生労働省)を御覧ください)。このため、弊事務所にも、製造業の方々からの対応のお問い合わせが増えて参りました。改正後の対応の主な注意点は、次のとおりです。

「請負契約書」「業務委託契約書」を作成すればよい?

製造業のお客様のなかには、今回の労働者派遣法改正を契機に、それまでの労働者派遣契約を請負契約や業務委託契約に切り替えることを検討している方がいらっしゃるようです。

このような対応自体は、特に問題ありません。ただし、それはあくまで適正に法令が順守されている場合の話です。

具体的には、それまでの労働者派遣契約の中身・実態を変えることなく、単に「請負契約書」「業務委託契約書」を作成するだけでは不十分です。契約内容・実態を変えることなく、形式的な契約書だけの変更するような行為は、違法行為・脱法行為に該当します。

これでは、昔の「偽装請負」となんら変わりがありません。

従いまして、今後の対応として、労働者派遣から請負や業務委託に変更するのであれば、実際に契約内容・実態を変更することが重要となります。単に請負契約書や業務委託契約書を作成しただけでは不十分です(もちろん、変更後の契約書を整備するべきであることはいうまでもありません)。

必ず「37号告示」を遵守する

それでは、どのような契約内容とした場合に労働者派遣契約や偽装請負とみなされずに、適正な請負契約、委任契約、業務委託契約とみなされるのかというと、具体的には、37号告示の基準によって判断することになります。

37号告示とは、正式には、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分基準の具体化、明確化についての考え方(昭和61年4月17日労働省告示第37号)」といいます。

契約実務上、企業間の契約が労働者派遣契約や偽装請負とみなされることなく、請負契約、委任契約、業務委託契約とみなされるようにするには、この37告示の基準を充たす契約内容とする必要があります。

当然ながら、そのような契約内容としたとしても、その内容が法律違反を免れるための偽装であった場合は、偽装請負として労働者派遣法違反となります。くどいようですが、契約の実態がどうなっているかが重要です

施行期日については、「公布の日から6か月以内の政令で定める日(登録型派遣の原則禁止及び製造業務派遣の原則禁止については、改正法の公布の日から3年以内の政令で定める日(政令で定める業務については、施行からさらに2年以内の政令で定める日まで猶予))」とされています。つまり、製造業務派遣については、公布の日から、最長でも3年で施行されるということです。

ただ、この労働者派遣法改正案は、民主党の目玉政策のうちのひとつです。このため、法案が成立した場合は、あまり時間をかけずに施行される可能性もあります。特に、参議院選挙を視野にいれた時期に施行される可能性が高いため、場合によっては、今年7月までに施行される可能性があります。

派遣労働者を使用している製造業者にとっては、急に生産体制を変更することは難しいでしょうから、なるべく早めの準備が重要となります。

参考文献

その他の契約書のことなら「契約書の達人」

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最終更新日2012年8月21日